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フィッシングの機能を極めた「DAIWA」のウェアは、驚きの高性能&日常着としてもおすすめ!
2023.05.12
日本発の世界的なフィッシングブランド「DAIWA」(ダイワ)。釣り人のために考えられた高性能なアイテムの数々には、DAIWAならではの釣りのノウハウが随所に生かされている。今回は、DAIWAを展開するグローブライド株式会社の我妻頌平さんに、2023年春夏のアイテムから今シーズンのオススメを紹介していただいた。
取材/TAKANORI ITO
協力/SHOHEI WAGATSUMA(グローブライド株式会社)
世界中の釣り人が知る「DAIWA」ブランド
――DAIWAは世界でもトップクラスのフィッシングブランドだと思うのですが、まずはそのルーツから教えていただけますか。
「弊社は1958年にスタートしました。釣りを取り巻く環境は今とはかなり違いましたが、釣り人に寄り添ったアイテムをつくり続けている会社というところは変わっていません。2009年に、『ダイワ精工』から『グローブライド』に社名変更し、DAIWAはブランド名となりました。そのタイミングで、アートディレクターの佐藤可士和さんがデザインした現在のロゴになりました。今回はフィッシング部門のアパレルのうち、釣りに特化した『DAIWA』の商品についてご紹介したいと思います」
“アパレルも釣り具”という認識のものづくり
――釣りがカルチャーとなり、アウトドアやキャンプなどとひも付いた昨今、ウェアづくりにも変化があったのでしょうか。
「昔は、釣りといえば男性の趣味のひとつというイメージが強かったと思います。ですが、近年では釣りを楽しむ人が増えただけでなく、アウトドアをより楽しむ目的のひとつに釣りをする人も増え、釣りそのものがカルチャーとして確立したと感じます。私たちが展開するブランドには、ラグジュアリーなものもあればカジュアルなものもあります。それらすべて、DAIWAならではのフィッシングウェアで培ったノウハウが詰まったアイテムとなっています。今回はフィッシングブランド『DAIWA』のアイテムから『GORE-TEX』(ゴアテックス)を使用したものを中心に紹介していきたいと思います。このDAIWAのラインは、“ウェアも釣り具”=ソフトギアという認識でつくっています。2023年の春夏は“更なるコアの回帰”をテーマに、過酷な釣りのシーンでも信頼してご使用いただける『釣り人の要求に応えるスペック』を随所に搭載したアイテムを展開しています」
「GORE-TEX」を使用したハイエンドなアイテム
――早速ですが、今シーズンのアイコニックなアイテムを紹介してください。
「まずGORE-TEXのシェルDR1323J フォグラージャケットからご紹介します。ブラックバスなどの陸っぱりでのルアーユーザーのニーズに特化したスペックを極めたモデルです。透湿防水性に優れたGORE-TEX素材をベースとしながら、要所にストレッチ素材を用いることでキャスト時の袖のツッパリなどに対応しています。また袖口には水辺や雨天での使用でも水の侵入を防ぐため、内袖にウェットスーツなどで使われる耐水素材を用いた『二重袖』構造になっています。袖口から水が入るのはかなりストレスになるので、釣り人から高い評価を頂いている機能となっています。雨対策でいうと、フロントのファスナーは止水のものを使用し、フード先端部分には『雨返し』という仕様で、雨水が顔に滴ることのないように縫い返している部分があります。更にフードには『D.D.S-ダイレクトダイヤルシステム-』という機能を搭載しており、フードをかぶった際にダイヤルを回すと側面の生地が後方に引き寄せられることにより、横側の視界を確保するものとなっています。更にフード先端の内側にクリップがついているのですが、これはキャップのツバを挟むとフードとキャップに一体感が生まれ、フードをかぶっていてもパフォーマンスが落ちない仕様になっています。今シーズン、これがハイエンドモデルになっているのですが、永年培ってきたフィッシングブランドとしてのノウハウが蓄積されたハイパフォーマンスモデルです」
釣りならではのノウハウを生かしたパフォーマンスモデル
――釣りにとって雨や水は避けては通れないものだと思うのですが、そこに特化し、更に日常生活で使っても便利なアイテムはありますか。
「DR-1922 ゴアテックス インフィニアム™ プロダクト レインスーツをご紹介いたします。こちらもGORE-TEXなのですが、同じGORE-TEXでも『GORE-TEX INFINIUM』(ゴアテックス インフィニアム)という素材を使用しています。このアイテムの特長としては、透湿防水はもちろん、素材がしなやかであること。また止水ファスナーや二重袖、フードの雨返しといった水辺や雨天での使用についても万全です。フードはD・D・S(ダイヤルシステム)ではなく、ドローコードを用いたビューアップシステムの採用により視野を確保する仕様となっています。こちらのアイテムは、上下セットとなるスーツでのご提案になりますのでパンツの話もさせていただきますと、パンツのファスナー部分には『浸水防止三角マチ』というパーツを施しており、ファスナーの後ろ側を伝って水が侵入しない仕様になっています。例えば、船(ボート)などで座っている状態で雨や水しぶきなど上から水を浴びることがありますが、その時に溜まった水が侵入しないようになっています。これは水辺での使用を想定した釣りならではのノウハウともいえる仕様で、ほかのアウトドアメーカーではあまり見られない機能だと思います。釣り以外のシーンでは、雨の日に自転車に乗る場合も相性が良いと思います。素材の透湿防水性により、動いていても蒸れにくく雨返しや、フードをかぶった際の視界の確保など、とても役立つのではないでしょうか」
「もともとDAIWAのシェルは、ポケットをかなり大きくつくっているのもが多く、釣りに必要なアイテムの出し入れが容易にできるように配慮しています。物を落とすと水の中、というロケーションがよくあるので、間口の大きさだけでなく、深さがあるポケットが必要になってきます。ライフジャケットを着用した時の使用感や、色々な釣りのスタイルやシーンに対応したデザインをしているのですが、更に立体裁断やストレッチ性のある素材を組み込むことで、釣りにおけるパフォーマンス向上を図っています」
GORE-TEXとオリジナル「Vibram」ソールを採用したシューズ
――続いてシューズについてお話を伺いたいのですが、釣り用のシューズとはどのようなものなのでしょうか。
「今シーズンDAIWAでは、初めてアッパーにGORE-TEXブーティーを採用したモデルをリリースしました。インソールには、軽さと通気性の良さという特長をもつ「Ortholite」(オーソライト)を採用しています。このOrtholiteは、アウトドアブランドやランニングシューズにも採用されているインソールでユーザーの支持が高いアイテムです。更にアウトソールには「Vibram」(ビブラム)ソールを使用しているのですが、Vibramの中でもメガグリップという水回りで高い次元のグリップ力をもつゴム配合をベースに、Vibram社と共同開発したDAIWAのオリジナルソールになっています。このソールは前作より採用していますが『驚くほど滑りにくい』と大変好評でした。滑りにくさと防水という、釣りをするうえで重要な要素はクリアしているアイテムなのですが、それだけではありません。シューレース(靴ひも)は『スピードフィット』というシステムで、シューレースについたパーツを締め上げると、シューレースを結ばずに足をホールドできます。釣りは、淡水以外にも海水というロケーションがあります。その際、塩分でパーツが固着するということがあるので、できるだけパーツ類は樹脂素材のものを使うようにしています。これも釣りの経験から得たノウハウのひとつです」
「更に、足のホールド感を強めて防水の位置が上がるハイカットも展開しています」
ラグジュアリーなアパレルブランドも手がけている「DAIWA」のデザインは、どれもスタリッシュで、何よりもテクノロジー面において、細部までこだわり考えられたものづくりには、本当に驚かされた。さまざまな釣りのスタイルに応じた素材や機能、そしてアイデアの数々。釣りのシーンだけとはいわずぜひ日常生活にも併用し、その快適さを実感してほしいと思う。
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▼話を聞いた人
伊藤孝法
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北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのセールスやPRを手がける。
2014年、WWDファッショニスタ100人がリコメンド!に参加。
テキスタイルデザインや自身のYOUTUBEチャンネル、北海道でFM番組のパーソナリティーも担当している。