キャンプギアの雄「コールマン」の取り組み 廃棄テントが鉢カバーやバッグとしてよみがえる
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    廃棄テントが鉢カバーやバッグとしてよみがえる!
    キャンプギアの雄「コールマン」の取り組み

    2022.07.26

    世界的にSDGs(持続可能な開発目標)の波が広がるなか、自然と密接な関係にあるアウトドアメーカーやアウトドアパーソンにとっても、SDGsは無視できない課題となっている。

    長い歴史をもつアウトドアブランドの雄「Coleman(コールマン)」が展開する「MFYR」は、廃棄物に新しい命を吹き込むことをコンセプトにした注目のプロジェクト。

    今回、モリパーク アウトドアヴィレッジで行われたコールマンのイベント「マイ・ロックガーデンをつくろう! ワークショップ&ミニ・トークショー」の様子をレポートしつつ、不要になったテントをアップサイクルしたMFYRのアイテムを紹介する。

    Photo/Tatsuya Irie Text/Kazuyuki Nomura

    ゴミになる前に、プロダクトとして新しい命を吹き込む

    (左から)コールマン マーケティング本部 高橋佳世子さん、コールマン マーケティング・ディレクター 根本昌幸さん、コールマン クリエイティブ・アドバイザー 松岡善之さん、Yard Works代表 天野慶さん。

    今回開催されたイベントは、コールマン「MFYR」と、山梨のガーデン・ショップ「Yard Works」によるコラボレーション企画。イベントの最初に行われたトークイベントでは、MFYRを始めたきっかけや取り組みについて、トークが繰り広げられた。

    松岡さんと天野さんが被っているのは、インナーテントのメッシュドアを活用したMFYRのモスキートネット。

    根本「コールマンはアメリカに本社があり、世界中に支社があります。日本支社で何かできることはないかと考え、松岡さんに相談したところ、“キャンプ用品のアップサイクルはどうか”という提案があり、MFYRがスタートしました。MFYRとは『Movement For Your Right』という意味。メーカーにはさまざまな理由から廃棄せざるを得ない商品がありますが、そういったものをプロダクトとしてよみがえらせて、皆さまに届けられたら面白いのではないかと考えたのです。こういった取り組みを通じて、キャンプ用品でもアップサイクルが可能であると知っていただきたいと思います」

    イベントで用意されたMFYRの鉢カバー。松岡さんの提案で、廃棄されるはずのテントをアップサイクルしてつくられた。

    松岡「私はキャンプ場の運営にも携わっていますが、キャンプ場のゴミステーションに、まだ使えるものがたくさん捨てられていることにもったいなさを感じていました。テントやタープが違う商品に生まれ変わることをメーカーが発信していけば、“モノの見方”も変わっていくと思います」

    テントの生地をアップサイクルしてつくられた鉢カバーを使用することで、植え替えの時に出るゴミを減らせる。

    松岡「今回はイベント限定ですが、MFYRで鉢カバーをつくったことには意味があります。ホームセンターや園芸屋で植物を購入し、ほかの鉢に植え替える際、元々入っていたプラ鉢は行き場をなくします。でも、鉢カバーがあれば元々の鉢をそのまま使えて、ゴミの削減にもつながるのです」

    イベントでは、完成した鉢を入れて持ち帰るためのエコバッグ製作の実演も行われた。

    希望者には、ファッションデザイナーの森由美さんが、その場でテント生地を使ったエコバッグを製作。テント生地は、丈夫なのはもちろん、ほつれにくいためバッグに最適だ。

    MFYRのアイテムをご紹介

    モスキートネット

    参考価格:15,000円

    キャンプシーンはもちろん、園芸の際にも活躍するモスキートネット。帽子部分はテントのフライシート、ネット部分はインナーテントのメッシュドア、ひも部分はテントやシェードのガイロープがそれぞれ使われている。

    トートバッグ/サコッシュ

    参考価格:トートバッグ(左)4,500円、サコッシュ(右)4,200円

    廃棄テントが素材のトートバッグとサコッシュ。タフで軽量さも備え、ファッションアイテムとしての合わせやすさも魅力だ。

    ビッグトート

    参考価格:5,000円

    約86Lも入る大容量のビッグサイズトートバッグ。素材には廃棄テントを使用。たくさんの荷物をまとめて運べるため、旅行やキャンプシーンなどで重宝するだろう。

     
    不要になったものをアップサイクルして、地球への負荷を減らしていく。メーカーがこのような取り組みを発信することで、少しずつ世界は変わっていくのではないだろうか。

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