いくらを下処理中

【男のレシピ】レンジ蒸しなす2品/お手軽チャチャッと飯

「あのさ…、今週末、うちにメシでも食べに来ない?」。電車で30分の距離に住んでいる両親に、そう電話をした。70歳になったおやじ。“古希”の祝いの席を計画した。

午後6時、家のチャイムが鳴った。「こんばんはー」と、おふくろの声が聞こえると、「じぃじとばぁばだ〜!」と、息子が玄関にかけていく。

振る舞うのは、「鮭いくら丼」だ。塩をふった生鮭は15分ほど置いて、グリルでこんがりと焼く。ざっくりとほぐしたら、炊きたてのご飯にのせ、昨日仕込んでおいたいくらの醤油漬けを豪快に盛る。のりと三つ葉を散らせば完成だ。

鮭いくら丼

「おふくろが昔、よく作ってくれた、いくらの醤油漬けを作ってみたんだ」

意外に料理ができるのねと驚く、おふくろ。まあまあだなと憎まれ口をいう、おやじ。「じぃじ、コキ、おめでとうです!」と息子が似顔絵を、妻が花束を渡すと「これは、これは…。どうも、ありがとう」と、おやじは破顔になった。

我ながら、鮭いくら丼は絶品だった。ささやかだったけど、親孝行できただろうか……。すっかり空になった丼ぶりを見ると、ちょっと誇らしく、晴れやかな気持ちになれた。

いくらの下ごしらえの手順 いくらを醤油に漬ける Recipe

●鮭いくら丼 <3〜4人前>
すじこ一本(150~200g)
生鮭 3〜4切
酒 大さじ2
醤油 大さじ2
みりん 大さじ1〜2

塩を入れて沸騰させたお湯を、40〜50℃まで冷ます。すじこを入れたボウルにお湯を入れ、手ですじこをばらす。手でぐるぐるとかき混ぜ、薄皮が浮いてきたら、上澄みごと流す。お湯を変えながらこの行程を5~6回繰り返し、最後はいくらをざるに上げて、水気をしっかりと切る。

漬け汁を作る。小鍋に酒、みりんを入れて中火にかけ、沸騰したら1分ほど煮たててから、醤油を加えて冷ます。保存容器にばらしたいくらを入れ、漬け汁を注ぐ。冷蔵庫で3時間から一晩ほど漬ける。

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