今回の撮影現場は、とある植物園。移動のたびに、滝藤賢一さんの足が止まる。「見てよ、このオリーブの樹!」と感嘆の声を上げながら、熱心に樹木を写真に収めようとする姿に現場は和やかな空気に包まれた。
「植物にハマったのは数年前から。この間も仲の良いお花屋さんの社長さんに展示会に連れて行ってもらって、まとめ買いしたから、バルコニーが植物だらけですよ」と植物愛を語る滝藤さん。テレビやスクリーンで見かけない日はないほど慌ただしい日々を過ごしながらも、合間を見つけては買い物に勤しむという。
「まだまだ欲しい植物はあるけど、冬越しさせるのが難しいから買うのは控えないといけないんですよ。洋服も外にマネージャーを待たせて1~2時間選んでいることもざらにありますね。
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『早くしてください』ってよく怒られています。でも、僕好みの商品が入荷したら気を利かせて取り置きしてくれるショップもあるので、早く見にいかないと迷惑がかかっちゃいますから」
気に入ったショップには足しげく通い、インスタやホームページで常に新作をチェックする。高校時代にはアルバイト代のほとんどを洋服代に費やしていたという滝藤さんのファッションへの情熱は衰えを知らないのだ。
「地元・名古屋のビバリーヒルズチキンは、高校生の時から通い続けていますね。でも、撮影がはじまると現場では衣装に着替えるので、せっかく買っても着る機会がないんですよ。だから僕は家にいても、1日に3回くらいは着替えてますよ(笑)」
そんなファッション愛で溢れる滝藤さんの私服を見てみたいと思う読者も多いかもしれないが、私服を公開する企画を探すまでもなく、すでに目にしている可能性が高い。
「バラエティ番組の衣装はだいたい私服です。また、最近はドラマでも私服を着て出ることが増えています。
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もちろん演じる役柄に合っていることが大前提ですが、普段から着ている洋服のほうが用意された衣装より当然、馴染みがいいですからね。だから、洋服を買うときも、ショップの店員さんと一緒にピンマイクが付けられる場所があるかなど、テレビ映えを考えながら、選ぶようにしています。ファッション雑誌の私服公開企画も元々は僕からのプレゼンです。普通は誰もやりたがらないでしょう? 要するに見せたがりで、自慢したがりな性格なんですよ。芝居もファッションも真似してほしいという思いが強いのかもしれません」と語る。
俳優・滝藤賢一のパーソナリティの大部分を占めるファッション。そのお手本は雑誌、そして映画だったとか。
「『MEN'S NON-NO』のマーク・パンサーさんや、大沢たかおさん、村上淳さんに影響を受けました。田辺誠一さんにいたっては、髪型を真似したくて、切り抜いた写真を常に財布に入れて持ち歩いていたくらいです。映画は、『トレインスポッティング』の影響が大きいですね。ユアン・マクレガーのピタピタTシャツ、スパッドのクレイジーシャツ、ベグビー(註:ロバートカーライルが演じたアル中のキャラクター)のGジャンはよく真似しました」
滝藤さんが40代のファッションアイコンになる日も近いのではないだろうか。
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