匠のモノ語り
REALFORCE Store インタビュー

指の“本当の力”に合わせて、極上の使用感を追求日本製プレミアムキーボード「REALFORCE」

Text:HIROMI YAMANISHI(HISTOREAL) Photo:NAOKI HIRABAYASHI 2026.4.15
REALFORCE Store

1980年代から業務用キーボード事業に携わる「東プレ株式会社」が、2001年に立ち上げたコンシューマー向けブランド「REALFORCE(リアルフォース)」。その優れた使用感はパソコンの利用シーンの広がりとともに支持を集め、現在も毎年のように最新の機能を搭載した新製品を生み出している。

開発から梱包までを日本製にこだわり、「打ち心地」と「耐久性」を追求し続けてきた「REALFORCE」。そのものづくりを30年以上にわたり支えてきた榎本賢貴さんに、その巧みな技術や社内の取り組み、そして今度の展望までを語ってもらった。

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2001年、データ入力業務のためにつくった
指の“本当の力”に寄り添うキーボード

昭和10年(1935年)、東京都江東区で自動車用プレス部品の製造開発メーカーとして創業した「東プレ株式会社」。1980年代には業務用キーボードの販売を開始し、キーボード事業を展開してきた。そのノウハウを生かし、2001年にコンシューマー向けのキーボードブランド「REALFORCE」を立ち上げる。当時からキーボードの開発に携わっていた、電子機器部 技術部の榎本賢貴さんは「REALFORCE」の始まりから現在までを見てきたひとりだ。

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榎本賢貴さん。東プレ株式会社 電子機器部 技術部所属。大学を卒業後、1996年に入社。開発業務を経て、現在では部長として、技術部の統括およびプロジェクトマネージメント業務を行なっている。

「1983年に電子機器部が立ち上がったときは、金融や通信、航空などのデータを打ち込む業界に向けてキーボードをつくってきました。そこで入力の正確さ、耐久性などが評価されるようになり、『それならばコンシューマー向けもいけるのではないか?』と、2001年に『REALFORCE』を立ち上げました。

データ入力業務向けのキーボードだったため、当時はそういった仕事に携わる人が多かった“女性向け”を考えていたんです。『手が疲れる』という声が多かったことから、手に優しいキーボードをつくることが出発点でした。実際に多くの現場で働く女性に取材を行い、その声をもとに開発したのが、指の“本当の力”に合わせたキーボード『REALFORCE』でした」(榎本さん)

こうして現場の声をもとに生まれた「REALFORCE」だったが、当初想定していた女性ユーザーには、思いのほかウケなかったのだとか。

「値段設定が高めだったこともあり、残念ながら女性ユーザーの購入は伸びませんでした。ただ、2001年は今ほどSNSは盛んではなかったのですが、『REALFORCE』の優れた使用感が“口コミ”で広まり、秋葉原界隈のキーボード好きの間で話題になっていったんです」

そこからコンピュータープログラマーや医療関係者、テレビや新聞の記者など、長時間キーボードを使うユーザーへと広がり、現在の評価につながっているのだという。

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昭和56年(1981年)につくられた、キーボード「試作 第1号機」。

キーボードを変えればストレスが減り
パフォーマンスは上がると断言

キーを押すときの軽さ、静音さ、正確さ、壊れにくさといった「打ち心地」や「耐久性」が評価され、日本製プレミアムキーボードとして成長してきた「REALFORCE」。その大きな特徴は、ブランド立ち上げ当初からこだわってきた「荷重設定」(※荷重=キーを押す際の重さ)にあるという。

「『REALFORCE』の変荷重モデルのキーボードは、キーごとに荷重を変えています。人差し指は多少重くても押せる45g、押しづらい小指は30gといったように、それぞれの指の力に合わせた設計です。毎日長時間キーボードを使う方にとって、負担を軽減できる仕様になっています。また、好みに応じてキー荷重を選べるモデルもあります」

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静音性能が高く、「カタカタ」というタイピング音が気にならないのも特徴

多様な職種のユーザーに支持される一方で、ゲーマーからの評価も高まっていった。転機となったのは、ブランド誕生から約15年後に登場したモデルだ。

「2016年に『R2モデル』を発表し、ゲーミング市場に本格参入しました。そのときに搭載したのが『APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能』です。それまでは、キー入力を判定する位置は固定でしたが、この機能によって押し込み量が1.5mm、2.2mm、3.0mmといった調整が可能になりました。

この技術は、その後のゲーミングキーボードにおける『ラピッドトリガー』(キーを押し込んだときに即入力、キーを戻せば即解除される機能)のベースにもなっています。『R3モデル』以降は、0.8mmを含む4段階でオン位置を調節できるようになり、キーごとに最適なオン位置を設定可能です。例えば、素早く入力したいキーは浅めの0.8mmに、間違えて押しやすいキーは深めの3.0mmに設定して誤入力を防ぐことができるようになっています。ゲーム好きの方々に支持されたことで、『REALFORCE』の認知も大きく広がりました」

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「GX1」「GX1 Plus」モデルは約1,677万色の発光が可能なバックライト機能がある

東プレ株式会社電子機器部で開発・設計されたキーボードは、同敷地内の工場で、組み立てから出荷まで行われる。「REALFORCE」の強みは“日本製”であること。「一つひとつの製品づくりにこだわりを持っている」と榎本さんは力強く語る。

「自動化や省人化が進む時代ですが、『REALFORCE』では特長である押し心地の検査は人の手によって検査しております。そうすることで機械ではわからない微妙なフィーリングが検査でき、押し心地の良いキーボードを提供することができます。多くの方は、パソコンを購入したときの付属キーボードを使うと思いますが、使いやすいキーボードを使えば仕事に集中でき、パフォーマンスもあげることができると断言します。

ボールペンでも自分に合うもの、合わないものがありますよね。サラサラとストレスなく書けると、字もきれいに書けた気になります。それと同じで、良いキーボードを使えばストレスが減り、仕事への集中力も高まります」

入社30年、東プレ一筋で歩んできた榎本さんは、今後の展望についても語る。

「これからも『REALFORCE』のブランドポリシーに基づいた製品を開発していきたいと思っています。“ストレスを与えない”最高の道具としてキーボードを追求してきましたが、今後はその技術を生かして他の製品にも展開していきたいですね」

Three Focus Stories

  • スイッチ機構に「静電容量無接点方式」を採用

    スイッチ機構に「静電容量無接点方式」を採用

    「REALFORCE」のスイッチ機構には「静電容量無接点方式」を採用。「基板にはコンデンサーの役割を持つ電極があって、その上にバネが配置されています。キーを押すことで静電容量が変化し、それをマイコン(Micro Controller Unit)の略で、キーボードの頭脳にあたる重要なパーツ)が察知します。電極同士が接触しなくても、一定レベルに近づけば回路が接続されて、キー押下を認識する仕組みです。物理的な接点がないので、信頼性と耐久性に優れています」

  • 1キー1キー、人の手で最終チェック

    1キー1キー、人の手で最終チェック

    開発から組み立て、出荷までを担う東プレ株式会社電子機器部。年間約7万台のキーボードが生産しているが、この数は海外工場と比べると決して多くはない。その理由について、榎本さんはこう語る。「『REALFORCE』が最も大切にしているのが、キーボードを使っているときの“フィーリング”。組み立ての最終工程として、人の手で一つひとつのキーの四隅を押して、引っかかりや不快な重さがないかチェックします。1製品あたりにかかる時間は2分程度ですが、1キー1キー、1台1台、すべて人の手で丁寧に検品しています」

  • 周辺機器やコラボモデルで新規ユーザーを開拓

    周辺機器やコラボモデルで新規ユーザーを開拓

    『REALFORCE』ではキーボードに加え、周辺機器の展開も広げつつあります。2023年発売の『REALFORCE RM1 MOUSE』は、左右ボタンに静電容量無接点方式スイッチを採用し、静音でやわらかなクリック感と高い耐久性を実現しました。キーボードでは近年、人気作品やVTuberとのコラボレーションモデルにも注力しており、ブランドの認知も広がっていると感じています。こうした取り組みを支えているのが、東プレの風土です。個人の裁量が大きく、意欲やアイデアを受け入れる環境があり、私自身もそのなかで成長してきたと思います。

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指の“本当の力”に合わせて、
極上の使用感を追求
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