少ない電気で効率よく湯を沸かすことができる家庭用給湯器「エコキュート」。ランニングコストが従来の1/3程度に抑えられるので経済的、且つCO2の排出量が少ないことで政府が導入の促進を図っている商品のため、補助金を受け取ることも可能だ。
神奈川県横浜市にある住宅設備工事事業を展開する「株式会社マイスターアソシエイツ」では、2018年 にエコキュートに特化したECサイト「エコキュート専門!住宅設備工事」を設立。補助金申請のサポートから商品購入、配送、取り付け工事、アフターケアまでを一貫して請け負ってくれる、エコキュートが買える工事会社だ。「町の電気屋さん」からスタートし、事業を拡大させてきた代表の石田栄作さんに、独自の強みと今後のビジョンを聞いた。
横浜市内の小売電気店で8年間勤務した後、仲間と共に立ち上げた電気量販店での勤務を経て、2013年太陽光や住宅リフォームに関する事業を行う「株式会社マイスターアソシエイツ」を設立した、代表の石田栄作さん。自身の会社を立ち上げたのは電気店で働くなかで、ECサイトの可能性を感じたのがきっかけだったという。
「オール電化や太陽光発電システム、蓄電池など、時代の流れに沿ってどんどん新しい設備が出てくる。僕らが町の電気店として1軒1軒家庭をまわっている一方で、量販店は間口を広げて、経済効果の高い商品の販売網をどんどん広げていった。インターネットが普及して一気に発信できる世のなかになりましたし、僕たちもこれを活用したらやりがいがあると思ったんです」
エコキュートに特化したECサイト、その名も「エコキュート専門!住宅設備工事」を2018年にオープン。商品名と業務内容を入れたストレートな店名にしたのには、もちろん考えがあってのことだ。
「エコキュートの入れ替えは、だいたい10年ごと。買い替えたい方や新規で購入を考えている方は、エコキュートというワードでリサーチするはずですよね。販売から工事までをやっていることを示すわかりやすいネーミングとしてつけました」
エコキュートとは、室外に設置された熱をつくり出す「ヒートポンプ」と、沸かした湯を貯めておく「貯湯タンク」から構成される電気給湯器。年々高騰する電気・ガス料金を考えると、戸建に住んでいる人には絶対的に取り付けをおすすめしたいと、石田さんは力を込める。
「最大のメリットは、ガスよりも割安な夜間電力を使用するので、“光熱費が安くなる”ということ。ガス給湯器と比べると約1/3くらい節約できます。また貯湯タンクにお湯が溜まっていれば、“災害時には生活用水としても使えて便利”です。初期費用はかかりますが、だいたい10年は使えるので、5年で元が取れる計算ですね。国や自治体から補助金が出ることもありますし、弊社でも申請をサポートをしています」
神奈川県横浜市の本社はオフィスと商品倉庫が併設されたつくり。オフィスでは社員の飼っている犬がくつろぎ、オリジナルジャンパーを着た社員たちが和気藹々と仕事をして、良い雰囲気が伝わってくる。顧客とのコミュニケーションにこだわるのは、「町の電気屋さん」からスタートした石田さん自身の経験によるもの。
「現在のスタッフは20人ほど。保険会社や飲食店勤務、デザイナーなど社員の前職もバラエティ豊か。お客様からの問い合わせが多いので、ECサイトでもお客様ときちんと話せる人間を採用しています。技術経験は実績を積んでいれば自然に身についてくるので、心配はありません。先輩職員が丁寧に教えてくれますし、電気工事士等の国家資格取得をサポートするなど、社員の育成を積極的に行なっています。離職率は低いほうだと思いますよ」
そして「エコキュート専門!住宅設備工事」の最大の特徴は、“工事会社がエコキュートを販売していること”だと言う。
「商品を販売する会社は、工事会社を外注する場合が多いと思うのですが、そうすると料金は高くつく。『エコキュート専門!住宅設備工事』では、商品を購入していただき、工事が完了してからの決済で、アフターケアまで一貫して行っているため、トータルの金額も安価でできます。また、今までのお付き合いもあり、メーカーによっては他店よりも安価で販売できる商品もあります。ECサイトとはいえ、商品を管理する倉庫があって、そこから実際に社員が商品を持ってお客様のご自宅に伺い、工事をして、説明をして帰っていく。最初の入り口がインターネットというだけで、やっていることは町の電気店と全く変わらないんです」
順調に成長している『エコキュート専門!住宅設備工事』。成し遂げたい“夢”は何かと聞くと。
「野望になっちゃうかもしれないんですが、TVCMなどのメディア戦略を展開したいですね。エコキュートで沸かしたお湯は、柔らかくなるので肌への感触もよく、美容に効果的。そういった商品の魅力を伝えるCMは、まだないと思うんです。事業を広げて、離島も含め、全国にもお伺いできるようにしたいですね。今後は商品の魅力を伝えつつ、会社を知ってもらう新しい発信をしていきたいと考えています」
1階の倉庫には、さまざまなメーカーの「エコキュート」が並ぶ。スタッフはここから商品を運び出し、各家庭に取り付け工事に向かう。
「町の電気屋さん」の優しさを受け継ぎ
ECサイトで給湯器「エコキュート」の
需要を拡大