キダチアロエエキスの販売から健康や美容の事業をスタートした、成和インターナショナルのブランド「太陽のアロエ社」。ここから生まれた「ヒアルロン酸原液」は口コミで徐々に広がり、化粧品コミュニティサイト「アットコスメ」では、2007年にアットコスメ大賞を受賞(ジェル、美容液部門第一位)。現在は累計4,500万本を売り上げる商品へと成長した。その大ヒットが生まれた背景には、代表である岸川良己氏の「消費者の健康と安全を何より優先する」という真摯な思いと、それを支える社員の“太陽のような笑顔”があった。
小学生の頃、熊本県水俣地域の公害を目のあたりにし、水処理のエンジニアを志したという岸川良己氏が代表取締役を務める「成和インターナショナル」。1998年に立ち上げたブランド「太陽のアロエ社」は、飲むキダチアロエエキスの販売からスタートした。
「ブランド名は『アロエ』と、代表と社員の明るいイメージからつけました。飲むアロエエキスは好評をいただいていましたが、お客様のなかには手作り化粧品として使っている人もいらっしゃったんです。それならば、購入された人に使っていただけるように、肌に塗るものをつけようと。化粧品原料としてヒアルロン酸の流通が始まった頃だったので、それを“おまけ“につけてみたんです。やがて、その”おまけ“が欲しくて商品を購入する方も増えてきて……。それが『ヒアルロン酸原液』の販売のスタートです」(執行役員 大和さん)
その「ヒアルロン酸原液」の商品化においては、代表と社員が一丸となって取り組んだという。
「社員全員に試してもらって、全員が『効果を感じる』と言わないと商品化しないと代表は決めていました。ヒアルロン酸とは、人間の体内にある保湿成分。不足すると水分を保持する力が低下し、肌のみずみずしさの低下や乾燥肌、しわ・シミなどの原因につながります。もともとはねばねばしたものなのですが、代表は『サラサラでベタつかない』という使い心地にこだわったんです。この『ヒアルロン酸』は、肌に一番最初につける導入美容液として使っていただくのですが、これが肌になじまなかったら、次につける化粧水やクリームなどもなじまない。社員全員がこれをつけて『肌と同化している』『肌がモチモチしてきた』と感じるまで、実験を繰り返しました。そして、化粧品原料として配合されるヒアルロン酸そのものを、初めて“原液”として売り出したブランドとなったのです」(大和さん)
化粧品コミュニティサイト「アットコスメ」では2007年に大賞を受賞。その後、中国の人気歌手がSNSで取り上げたことで人気に火が付き、口コミが一気に世界に広がった。2023年には、なんと累計4,500万本を販売している。それにしても高価なヒアルロン酸原液を10mL=500円で市場に出せるのは、どうしてなのか?
「ヒアルロン酸の製造方法には『鶏のトサカからの抽出法』と『微生物による発酵法』の2種類があり、私たちは後者の方法を採用しています。これが大量生産を実現した理由のひとつ。また、代表の熱意ある交渉によって原料をすべて買い取り、他社には使用できない唯一無二のものとした点もとても大きいです」(大和さん)
実際に毎日商品を使っているという、商品開発担当の小林さんも「男性にも使っていただき、効果を感じて欲しい」とアピールする。
「男性の肌の皮脂分泌量は女性よりも多いので、オイリーになり、水分不足にもなりがち。『ヒアルロン酸原液』は水溶性で肌に水分をたくわえてくれるので、ベタつかずにうるおいを感じていただけます」(商品開発本部 小林さん)
ヒアルロン酸原液を美容業界に初めて導入したパイオニアとして、ヒアルロン酸をベースにした化粧品を日々送り出している成和インターナショナル。2024年にはクレンジング「CLEARDAYS」シリーズ2種類を発売し、ECサイトでの販売にも力を入れている。
「ECサイトの便利さをお客さまに感じていただき、コロナ禍以降は売り上げも上がっています。商品を組み合わせてご提案したり、キャンペーンを利用したり、ECサイトならではの商品も増やしていきたいと思っています。当社の窓口に、商品に対する熱い愛を綴ってくださる方もいらっしゃって、月並みな言い方ですが、そんなときはこれからも頑張っていこう!と気持ちを新たにできますね」(EC担当 新井さん)