匠のモノ語り
Vintage Brand Tokyo

FC加盟584店を中間目標に企業価値1000億円を目指す

Text:HIROMI YAMANISHI(HISTOREAL)  Photo:JUNKO KAKIMOTO(PERSIMMON) 2022.7.15
Vintage Brand Tokyo

リユース店・ECサイト「VINTAGE BRAND TOKYO」を運営する、株式会社トリアイナ 取締役会長・三浦哲郎氏が2度目の登場。2021年210%アップした売り上げは、2022年さらにその1.5倍に。積極的にYouTubeにも出演し、その鋭い経営手段とキャラクター性の高さで、認知度を上げている。次なる目標に動き始めた三浦会長に、その構想について聞いた。

Vintage Brand Tokyo

リユース商品と鑑定士という仕事の
魅力を広めたい

2021年の「匠のモノ語り」出演から、ちょうど1年ぶりの登場となった株式会社トリアイナ 取締役会長・三浦哲郎氏。ちょうど10周年だったこの年は、コロナ禍でありながら1年で売り上げを210%にアップさせたと語り、我々を驚かせた。それから1年。
「売り上げはさらに1年前の1.5倍くらいでしょうか。弊社では買取り、販売に『宅配』『出張』『店舗』の3ジャンルを網羅しているのですが、この1年でどれも強化した結果。あとは、YouTubeでの露出を増やしたのもあると思います」と三浦会長。

三浦会長インタビュー
独学でリユース業について学び、2010年に鑑定士の派遣会社をスタート。2011年に株式会社トリアイナとして展開。現在、「買取専門店こやし屋」として、関東地域にフランチャイズ店を募集中。イメージキャラクターに、新庄剛志氏を起用している。

昨年に引き続き「ヒカルの買取鑑定団」に鑑定士として出演しているほか、自らのYouTubeチャンネル「鑑定士ミウラ会長Channel」「相席酒場」など精力的に活動している。

「自分のチャンネルでは、結構“素”の部分を出しています。今僕のチャンネル登録者数は17,000人くらい(2022年6月現在)で、1日で2万人くらいの再生がされている状態。登録者数に対して観ている人は多いですね。僕はYouTubeを始めるにおいて、『自分の言いたいことは言うけど、悪口を言わない』というコンセプトを最初から持っていたんです。自分が気に入っている人と一緒に映像に出てその人の良さを出してあげれば、その人のファンも見に来てくれると思っています。僕はできるだけアンチ作りたくないし、野次馬はいらない。近い将来いい登録者だけで3万人くらいに増やすのが、今の目標ですね」

YouTubeに出演するのは、自社の宣伝のためだけではないと、三浦会長は強調する。

「僕の仕事はリユース商品と鑑定士という仕事の認知を広げることだと思っています。そうすれば『売ること』『買うこと』への抵抗がなくなっていく。以前は鑑定士って、年配の方が虫眼鏡を持っているイメージだったと思うんですよ(笑)。それを僕が表に出ることで、こういう人物が鑑定士をやっていて、稼いでいる、と言うイメージに変えていきたい。これが僕の長期的な取り組みなのですが、少しずつ浸透していっている実感はしています。現在2023年度の新入社員を募集していますが、手応えもあります」

店内画像

『R40』を掲げ、40代以上が
利用しやすい店に

1年前、「近い将来の目標」としてフランチャイズ(FC)店舗の展開、売り上げ100億円を掲げていた三浦会長。

「売り上げ100億円はすでに達成しました。2〜3年後には300億円達成の予定ですね。FCを展開したら、自動的にいくと思っています」

そのFC展開は、現在着々と進行している。

「第1回目の説明会は、約500人の方が説明会に参加いただき、今精査させていただいている最中。3か月後には、80店舗くらいのFC店が立ち上がる予定です。FC店経営者には3〜5年の計画で5〜10店舗を持って、4億くらいで売却するという計画で経営してもらいたいと思っていますね。『買取専門店こやし屋』という屋号でやらせていただいているので、ひとまずは3年で584店舗が目標。前回言ったように、将来的には1000店舗までいきたいです」

店舗経営においても、YouTubeの登録者同様「野次馬はいらない」という精神があると言う。

「店舗の入り口には『R40』を掲げて、基本的には40歳以下が入れない店にする予定です。売買には身分証明書がいるので、そのときにその方が38歳でも、その辺の許容はもちろんありますが。正直、マイナスブランディングになりがちなSNSでの書き込みや、コピー品を持ち込むのも若年層の割合が高く、接客しても実際に売却されない方も多い。そこに時間がかかってしまい、利益率が高い40代以上の方々をお待たせしたくないというのがある。また代理店としての業務も行っているので、40代、50 代に向けての保険や健康食品などの販売もやりやすくなると思っています」

その三浦会長は、来るべき自身の50代からの将来はどんなビジョンを描いているのだろうか?

「『53歳で引退する』というのは、ずっと言ってきたことです。あと6年ですが、その先のことは何も考えていませんね。そのときになったら次の人生を考えます(笑)。今はそのときまでに、FC加盟店1000店、企業価値を1000億にするために、邁進するのみです」

「CHANEL」ショーケース
「CHANEL」の商品は、一番の売れ筋。入荷しても、数日で商品は入れ替わっていく。
人気ブランド商品ディスプレイ
スタイリッシュにディスプレイされた店内には、人気ブランド商品がひしめく。

Three Focus Storys

  • 「司法書士・行政書士・鑑定士」の並びが目標

    Vintage Brand Tokyo

    鑑定士の養成スクール運営、古物鑑定士資格の人材育成を行う「アイジョブ 東京鑑定士学院」を準備中の三浦会長。「最終的には『司法書士・行政書士・鑑定士』と言われる並びにしたいですね。まずは僕が矢面に立って、みなさんの目標になりたいですね。鑑定士をあこがれの職業にしたい思いは変わっていません。引き続き尽力していかねばならないと思っています」。入荷したばかりの「ロレックス デイトナ」は買取価格は800万ほど。「僕の鑑定時間は、5分かかりませんね。コピー品は中身をあけたらすぐにわかりますが、やはりこれを鑑定できるようになるまでには時間が必要です」

  • オリジナルショッパーや会報誌もスタート

    Vintage Brand Tokyo

    取り扱いサイトを増やすなど、2022年はECサイトにも力を入れているという「VINTAGE BRAND TOKYO」。ECサイトで購入した人用に販促物にも力を入れている。「目立つようなちょっと変わったデザインのショッパーにしたいということで、僕がデザインをしました。あとは、オリジナルマガジン『VIBRATO』の発行も始めました。商品写真の横のQRコードで、ECサイトの商品ページに飛ぶようになっています。僕は基本的に『アナログで集客してデジタルで売る』という考え。僕は今でもこのほうが合理性が高いと思っています」

  • 有名人の私物コーナーの拡大化も目標

    Vintage Brand Tokyo

    店内には「ヒカルの買取鑑定団」で共演中の、人気YouTuberヒカルさんの私物、同YouTube内企画で鑑定した、「東京美容外科」総括院長・麻生泰さんの私物のコーナーも。「Youtubeでは麻生院長の私物を予備知識のない状態で、出たとこ勝負で査定しました(笑)。有名な方の私物となると“付加価値”もつくので、よく売れますね。このシステムを広めて、タレントさんやスポーツ選手、YouTuberの方の私物を売買させていただくしくみを作っていければと思っています」