コロナ禍において、売り上げを前年比の“倍”に伸ばしたという、リユース店「VINTAGE BRAND TOKYO」。その成長の裏では、常に先を読みアクティブに行動してきた、会長の采配があった。進化し続けるこの店のロジックを紐解く。
人気YouTuberヒカル氏とのコラボ企画「ヒカルの買取鑑定団」に鑑定士として出演中の、ECサイト「VINTAGE BRAND TOKYO」を運営する、株式会社トリアイナ 取締役会長・三浦哲郎氏。
「YouTube出演の反響はあります。ヒカルさん関係のユーザーも利用してくれるようになりましたし、リユース業界最大のイベント『リユースサミット』の講師の話も来ています。近年この業界内での転職が増えているのですが、おかげで今力を発揮しているいい人材が集まってきていますね。採用は会社の成長につながるので、こうやって業界で目立つことも意味があると思っています」と三浦会長。
2011年にスタートしたトリアイナの社員は約30人、10周年となった2021年現在では約400人が在籍する。2020年から続くコロナ禍では、なんと売り上げが210%アップしたという。その理由は何なのか?
「2020年から急成長している、ライブ配信とECを掛け合わせた“ライブコマース”の方向に攻めたことですね。YouTubeの影響もあって、信用できる良いライバーさんも集まってきていますし、この1年で急激に商品量は増えています」
「VINTAGE BRAND TOKYO」では、常に3000点あまりの商品をキープ。状態のいい商品が、他店と比べても2〜3割安い状態で販売できるという。
「当社の在庫は常に入れ替えているので、3か月前のものはないんです。3000点流動させて、3000点在庫させている状態。長い間同じものを在庫していても売れないので、流通サイクルは45日と決め、質の良い商品をアクティブに動かして、飽きさせない取り組みをしています。
低価格も流通量が多いからこそできること。例えば、10万円の商品に10万円の利益を出すには20万円で売らなければならない。でも、1000円の利益を出すものを100個売れば利益は10万出ますよね。薄利多売をすることも弊社の取り組みです」
真っ白なジャケットを颯爽と着こなす、三浦会長。リユース業界に入る前には、1個の商品を持ってリユース店舗を何店も回ってヒアリング、合わせて文献などを読み込み独学を重ねた努力家だ。
「リユースに関わって10年以上が経ちますが、まだまだ日々勉強中です。ベンチャーは“成長している”感じがおもしろい。個人が勉強、成長して会社規模が大きくなる、スタッフにも学びながらお金をもらえる感覚でやってもらえたらと思っています。
僕は企業価値とは、労働者の賃金ではないかと思っていますね。極端な話、純利益が“0”でも働いているスタッフ全員の年収が1000万なら、いい企業じゃないですか。税率が同じなら労働者に配当したほうが会社の成長は早いと思っているので、僕はリユース業界の中で一番高給な会社を目指しています」
小学校1年の時に埋めたタイムカプセルの中の将来の夢には「経営者」とすでに書いていたという、三浦会長。25歳で企業してからは、常に計画的に事業拡大を実践してきた。
「僕が死ぬまでの事業計画はもうしてあります(笑)。諸事情で少し遅れていますが、近い将来売り上げ100億の達成を予定しています。あとはフランチャイズ店舗1000店舗の展開を考えています。今はまだ“0”なので、無茶苦茶なことを言っていると思われるかもしれませんが、実現できるやり方があるんです。日本最短で実現しますよ。3年後を楽しみにしていてください!」
どこよりも高品質、低価格。
リユース業界に改革を起こす