キャンプで火起こし!ファイヤースターターの使い方とコツを伝授
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    キャンプで火起こし!ファイヤースターターの使い方とコツを伝授

    2021.10.23

    キャンプや登山、バーベキューなどのアウトドアで、燃料なしに火が起こせる道具「ファイヤースターター」。便利なだけでなく、火花から火を起こす“ロマン”や“かっこよさ”を体感できるアイテムだ。ただし、初心者が使いこなすにはちょっとしたコツが必要。

    今回は、ソロキャンプYouTuberのKENJI PERM CAMPさんに、おすすめの「ファイヤースターター」と使い方を教わり、その魅力をたっぷり語ってもらった。これを読めば、きっと火起こししたくなるはず……!

    TEXT:KENJI PERM CAMP(ケンジパーマ・キャンプ)監修:日本単独野営協会

    ファイヤースターターとは? どういう仕組み?

    どうも、ソロキャンプYouTuberのパーマです。使い込まれたナイフで火花を散らして焚き火を起こし、森の中で肉を焼いて食う……。そんなワイルドなブッシュクラフターの姿をYouTubeで初めて観たとき、大人になって忘れていた感情が胸に込み上げてきた。

    「何コレ、かっちょいいッ……!」

    さて、本題に入ろう。ファイヤースターターとは、その名のとおり火を起こすための道具。「ロッド(ファイヤースチール)」と呼ばれるマグネシウムやフェロセリウム(鉄とセリウムの合金)の棒を、「ストライカー」と呼ばれる角が立ったもので擦ることで火花を散らし、火口に着火させる仕組みだ。この2つをセットにして、ファイヤースターター、もしくはメタルマッチと呼ばれている。

    ストライカーは、角が立っている金属なら代用が可能で、ナイフの背でストライクすることもできる(ナイフの背の角が立っていれば)。

    ナイフが痛むデメリットはあるものの、筆者は見た目の良さとロッドが削りやすいことから、ナイフをストライカーにすることが多い。

    おすすめのファイヤースターターと選んだポイント

    ファイヤースターターは、各メーカーから様々なコンセプトのものが販売されているが、現在筆者が使用しているのは、NHAM (ニャム) のメタルマッチ。

    NHAM (ニャム) メタルマッチ

    NHAM (ニャム) のファイヤースターター/メタルマッチ

    参考価格:2,664円

    商品詳細はこちら

    NHAM (ニャム) のメタルマッチを選んだポイントは「ロッド部分」にアリ。その特徴は……

    (1) 直径1cmで極太
    一般的な7mmの使用回数が約1万回に対し、約1万5000回使えるらしい(製品説明欄より)

    (2) 9.8cmの長さ
    長いストロークが可能で、初心者でも大きな火花を出しやすい

    (3)持ち手がグリップしやすい
    持ち手がなかったり小さいものに比べて、グリップしやすい大きさ。木製で見た目も好き(ココ重要)

    といったところ。

    ファイヤースターター(メタルマッチ)の使い方とコツ

    では、このメタルマッチを使って、筆者なりの使い方とコツを紹介したい。

    ①まずは火口を用意

    火口とは、メタルマッチで起こした火花を着火させて最初に燃やすもの。ティッシュ、ほぐした麻紐、枯葉、フェザースティック(木の枝を薄く削ったもの)などでOK。コツは、火口はできるだけ乾いたものを用意すること!

    ②ロッドをストライカーで削る

    ロッドは錆防止めの皮膜で覆われているので、ストライカーで削って金属部分を露出させます。皮膜は薄いので軽くこするだけでOK! 皮膜を取ると酸化して火花が出づらくなるので、使う前に酸化した部分をこそぎ落とそう。

    ③火口にロッドの先を当てる

    火口に対して真上から垂直orやや傾けて押し当てると力が入りやすい。

    ④ストライカーをロッドの根元から先にかけて振り下ろす

    ゆっくりでもいいので、なるべく長くストロークすると大きな火花が出て着火しやすい。

    ファイヤースターターの使い方を動画でもチェック!

    うまく着火できないときのチェックポイント3つ

    ①火口が乾いているかチェック!

    どんなに大きな火花が出ても、火口が湿っていると着火しない。陽が出ていれば日光に当てて乾かしたり、服のポケットの中などに入れて乾かしてみよう。

    フェザースティックを使う場合は、火がつきやすい針葉樹を選び、できるだけ薄く細かいフェザーをつくると着火しやすい。

    ②ロッドを大量に削ってみる

    ロッドをゆっくりと数回削って金属の粉を火口に落とし、その粉に向けて火花を散らすことで、より大きく長時間火花が発生し、着火しやすくなる。

    ③何度も連続してストライクしてみる

    なかなか着火しないときは、連続して何度も同じ場所にストライクしてみよう。熱が高まり着火しやすくなる。

    ちなみに、ストライカーを固定してロッドを引き抜く方法や、火口の上から火花を散らす方法もある。そもそもストライカーがよく削れるものでないと火花が発生しづらいので、ストライカーを変えてみたり、角の立ったナイフの背で削ってみるなど、いろいろと試して、その時の環境や自分のやりやすい方法を見つけてほしい。

    男心をくすぐる「ロマン着火」

    最後に。1年ほど前に同じようにファイヤースターターの動画をYouTubeにアップしたところ、視聴者さんからこんなコメントが届いた。

    「ライターとかマッチでいいじゃんw」
    「なんでわざわざ原始的な方法なの?」

    ……一言だけ言わせて。それは言わない約束じゃん!!!

    火起こしにはいくつも方法があるが、一番手軽で確実なのは、やはりライターやマッチでの着火だろう。正しい。正解。ぐうの音も出ません。ごめんなさい。

    メタルマッチのメリットについて真面目に答えると、

    ・燃料の残量を気にしなくていい
    ・水に濡れても使える
    ・壊れにくい

    などが挙げられるが、一番の理由は……そう、かっこいいから。ロマンである。火打ち金と火打ち石で着火させる方法もそうだが、わざわざ手間をかけることによって火が起きたときの喜びや達成感があり、火起こしのプロセスをより楽しめるのだ。つまりそれをやってる自分に酔いたいんだよッ!

    「不便を楽しむのがキャンプ」という有名な言葉があるけれど、筆者は少し違って「自己満足を楽しむのがキャンプ」だと思っている。そう、「キャンプはロマン」なのだ。※あくまで個人の意見です

    そんなわけで、今日もロマンを求めてキャンプに行ってきまーす!


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    • KENJI PERM CAMP(ケンジパーマ・キャンプ)
    • KENJI PERM CAMP(ケンジパーマ・キャンプ)

    • ソロキャンプや自作キャンピングカーなど、ロマンを求めるアウトドア動画をYouTubeで配信。ライターの経験を生かし、初心者にも分かりやすいキャンプ解説を心掛けている。現在、「刃物のまち」岐阜県関市でオリジナルのナイフを製作中。

      Youtubeチャンネル▶KENJI PERM CAMP

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    • 日本単独野営協会
    • 日本単独野営協会

    • 小山仁氏を代表に、「ソロキャンプの健全な普及」を目指して設立された任意団体。ソロキャンプの普及活動や各種キャンプイベント、野営地の清掃活動などを行っている。会員数は約19000人。KENJI PERM CAMPも在籍。

      日本単独野営協会公式サイト

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